レモンバーム(Melissa officinalis)は、シソ科に属する多年生草本であり、その料理的、薬用的、芳香的特性から何世紀にもわたって重宝されてきました。
この入力では「果実」として分類されていますが、植物学的にはレモンバームは草本植物に分類され、果樹ではありません。その香りのよい葉は、すりつぶすと特徴的なレモンに似た香りを放ち、そのために広く栽培されています。
• 属名の「Melissa」はギリシャ語で「ミツバチ」を意味する言葉に由来し、花粉媒介者を強く惹きつけるという本種の特性を反映しています
• 種小名の「officinalis」は、伝統医学や薬草店における長年の使用歴を示しています
• レモンバームは 2,000 年以上にわたって栽培されており、14 世紀にカルメル会の修道女たちによって初めて蒸留された人気の薬草強壮剤「カルメルウォーター」の主要な原料でした
• 時としてビーバーム(Monarda 属)と混同されることがありますが、両者は異なる属に属する無関係な種です
• 原生分布域は、西地中海(ポルトガル、スペイン、モロッコ)から南欧を経てコーカサス、北イランにまで及びます
• 温帯気候を好んで生育し、北米でも帰化しており、時には侵略的に拡がることがあります
• 歴史上、中世ヨーロッパ中の修道院の庭で栽培されていました
• カール大帝(紀元 800 年頃)は、その薬用価値から自帝国のすべての庭でレモンバームを栽培するよう命じたと伝えられています
• 初期のヨーロッパ人入植者によって北米にもたらされ、それ以来多くの地域で栽培化を脱して自生しています
茎:
• 断面が四角形(四稜形)であり、これがシソ科を定義する特徴です
• 分枝し、成熟した株では基部がやや木質化します
• 微細な短い毛で覆われています
葉:
• 対生し、卵形〜心形(心臓形)で、長さは 2〜8cm です
• 葉縁は粗い円鋸歯(丸みを帯びた鋸歯)〜鋸歯状です
• 葉表面はしわ(縮れ)があり、裏面には顕著な葉脈が見られます
• 鮮やか〜中程度の緑色で、微細な毛(トリコーム)に覆われています
• 揉むと、シトロネラールやシトラールなどの精油成分により、強いレモン香を放ちます
花:
• 小型で、淡黄色〜白色、あるいは淡ピンク色をしており、左右相称(相称花)です
• 葉腋に輪散花序(偽輪生)を形成して咲きます
• シソ科に典型的な二唇花冠を持ち、上唇は兜状、下唇は 3 裂しています
• 北半球における開花期は 6 月〜10 月です
• ミツバチをはじめとする花粉媒介者を強く惹きつけます
根系:
• 繊維質で浅く、好適な条件下では地下茎(根茎)や走出枝を介して匍匐する性質があります
• これにより、植物は栄養繁殖して広がり、密な群落を形成することができます
• 水はけが良く、中程度の肥沃度があり、pH 4.5〜7.5 の土壌を好みます
• 日向〜半日陰で生育します。暑い気候では、午後の日陰があることが有益です
• USDA 耐寒区分 4〜9 区(4 区では冬季の気温が約 -34°C まで耐えます)
• ミツバチ(Apis mellifera)をはじめとする多様な花粉媒介者を惹きつけます。特にミツバチは、蜜に富んだ花に強く引き寄せられます
• 本種の精油には、軽度の抗菌作用や忌避作用があることが示されています
• 自家結実性が強く、地下を走るランナーで拡がるため、園芸環境では侵略的になることがあります
• 標高では海抜〜約 1,500m の範囲で一般的に見られます
日照:
• 日向〜半日陰を好みます。1 日あたり最低 4〜6 時間の日照があると最もよく生育します
• 暑い地域(8〜9 区)では、午後の日陰があると葉焼けを防ぐのに役立ちます
用土:
• 幅広い土壌に適応しますが、湿り気があり水はけが良く、中程度に肥沃な土壌を好みます
• 痩せた土壌にも耐えますが、肥沃な条件の方がより芳香性の高い葉を生産します
• pH 範囲:4.5〜7.5(酸性〜弱アルカリ性)
水やり:
• 用土を常に湿った状態に保ちますが、過湿にはしないでください
• 根付けば耐乾性を示しますが、乾燥期間が長引くと葉の質や精油の濃度が低下します
• マルチングは土壌水分の保持と雑草抑制に役立ちます
温度:
• 至適生育温度:15〜30°C
• 4〜9 区では耐寒性多年草として生育します。冬季には地上部が枯れても、春季に地下茎から再萌芽します
• より寒冷な地域では、冬季に根系を保護するためにマルチを敷くと効果的です
増殖法:
• 播種:最終霜の 6〜8 週間前に室内まきするか、土壌が温まってから直まきします。種子は発芽に光を必要とするため、用土表面に押し付けるようにまき、覆土はしません。発芽まで 7〜14 日かかります
• 株分け:春または秋に、定着した株を分け増やします
• さし木:茎の挿し木は、水または湿った用土中で 2〜3 週間で容易に発根します
剪定と管理:
• 開花後に茎を半分程度切り戻すと、2 番芽の成長が促され、過度な自家結実を防げます
• 葉を定期的に収穫することで、より茂りやすい株作りができます
• 拡がりが懸念される場合は、咲き終わった花穂を摘み取ります
主な問題点:
• 湿度が高く換気が悪い条件下では、うどんこ病が発生することがあります
• 湿気の多い季節には、さび病(Puccinia menthae)が葉に発生することがあります
• アブラムシやハダニがまれに付くことがあります
• 管理を怠ると侵略的になることがあるため、拡がりを制御するために鉢植えでの栽培を検討してください
豆知識
レモンバームには、西洋薬草学の最も影響力のある人物たちの何人かと深く結びついた、驚くべき由緒ある歴史があります。 • ギリシャの医師ディオスコリデス(紀元 1 世紀)は、その著書『薬物誌』において、レモンバームをサソリに刺された時や犬に噛まれた時、そして月経障害に対して推奨しました • スイス・ドイツの錬金術師にして医師であったパラケルスス(1493〜1541 年)は、レモンバームを「生命の霊薬」と呼び、身体を若返らせ寿命を延ばす力があると信じていました • イギリスの日記作家ジョン・イヴリン(1620〜1706 年)は、レモンバームが「脳に効き、記憶力を強化し、憂鬱を力強く追い払う」と記しています • 1611 年にパリのカルメル会修道女によって初めて調合された「カルメルウォーター(Eau de Mélisse)」は、レモンバームを主成分としており、19 世紀に入るまで神経性頭痛や神経痛の薬として販売されていました 本種の精油には、シトロネラール、シトラール(ゲラニオールおよびネラール)、リナロールが含まれており、これらが特徴的なレモン香と、実証されている鎮静作用の両方をもたらしています。 • 現代の臨床研究により、Melissa officinalis の抽出物には不安を軽減し、気分や認知機能を向上させる効果があることが示されています • 2014 年に『Nutrients』誌に掲載された研究では、レモンバームが健康な若年成人において不安を軽減し、記憶力と覚醒度を向上させることが認められました • ドイツの薬草医薬品に関する公式規制機関であるドイツ・コミッション E は、レモンバームを神経性不眠症および胃腸障害に対して承認しています レモンバームのミツバチとの縁は伝説的です。 • 歴代の養蜂家たちは、新しい巣箱の中に新鮮なレモンバームの葉をこすりつけ、群れを引き寄せ、落ち着かせるために用いてきました • ギリシャ語の「melissa(μέλισσα)」は文字通り「ミツバチ」を意味し、本種の学名はこの古くからの関係を直接称えたものです • トーマス・ジェファーソンは、モンティチェロの自邸で、自らのミツバチの群れを支える目的もあって、レモンバームを大規模に栽培していたと伝えられています
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