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インドナツメ

インドナツメ

Ziziphus mauritiana

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インドナツメ(Ziziphus mauritiana)は、インドプラム、ナツメ、またはベルとしても知られ、クロウメモドキ科(クロウメモドキ属)に属する熱帯から亜熱帯にかけて生育する果樹です。ナツメ属において最も経済的に重要な種の一つであり、食用の果実を目的として旧世界の熱帯・亜熱帯地域で広く栽培されています。

• 中木の高木で、常緑または落葉性。樹高は通常 3〜15m
• 枝垂れ状の枝を持ち、しばしば対になった棘を有する、密で丸みを帯びた樹冠を形成する
• 果実は核果で、形状は多様(卵形、球形、または長楕円形)。長さは 1.5〜6cm
• 果皮は滑らかで光沢があり、緑色から黄色、橙色へ、そして完熟すると赤褐色または紫黒色へと変化する
• 果肉は白色から黄色で、やや未熟な間はリンゴのようにパリッとしており、完熟すると柔らかくしわが寄る
• 風味はほのかな甘みから心地よい酸味まで幅広く、しばしばリンゴとナツメを掛け合わせたような味と表現される
• 南アジア、東南アジア、アフリカ、太平洋諸島の伝統医学において非常に高く評価されている
• 近縁種で果実が小さく耐寒性のある中国ナツメ(Ziziphus jujuba)と混同されることがあるが、Z. mauritiana は明確な熱帯性種であり、霜には耐えない

分類

Plantae
Tracheophyta
Magnoliopsida
Rosales
Rhamnaceae
Ziziphus
Species Ziziphus mauritiana
インドナツメ(Ziziphus mauritiana)は、南アジアおよび東南アジアのインド・マレー地域を原産とし、インドからミャンマー、タイ、マレー諸島にかけて多様性の中心地帯を有していると考えられています。

• 自生域:南アジア(インド、バングラデシュ、スリランカ、パキスタン)から東南アジア(ミャンマー、タイ、インドシナ、マレーシア、インドネシア)を経てオーストラリア北部まで
• 熱帯アフリカ、太平洋諸島、カリブ海地域、中央アメリカ、中東の一部に導入され、帰化している
• 考古学的証拠により、インド亜大陸において少なくとも 4,000 年前から栽培されていたことが示唆されている
• 『ヴェーダ』やアーユルヴェーダ医学文献などの古代インドの文献に記載がある
• 古代の交易路を通じて東アフリカや中東へ伝播し、おそらくアラブ人やインド人商人によってもたらされた
• 植民地時代(18〜19 世紀)にオーストラリア、太平洋諸島、アメリカ大陸へ導入された
• 種小名の「mauritiana」は、初期の植物標本が収集されたモーリシャス島に由来するが、同種はそこが原産地ではない
• 明確な乾季のある地域でよく生育し、半乾燥の熱帯気候に良く適応している
インドナツメは、樹高、葉形、果実の特性において非常に多様な種であり、数百年にわたる栽培の過程で多くの栽培品種が選抜されてきました。

樹木と樹皮:
• 樹高:通常 3〜15m。好条件下では稀に 20m に達することもある
• 幹:しばしば短く曲がっており、直径 30〜40cm。樹皮は暗灰色から黒っぽく、不規則に裂け目やひび割れが入る
• 枝:ジグザグ状に伸び、対になった托葉性の棘(1 本は真っ直ぐで、もう 1 本は曲がっている)を持つが、栽培品種にはほとんど無棘のものもある
• 樹冠:密で、広がりがあり、丸みを帯びている

葉:
• 互生、単葉、卵形〜長楕円状楕円形で、長さ 2〜9cm、幅 1.5〜5cm
• 葉の表面:濃緑色で光沢があり滑らか
• 葉の裏面:微細な白色〜灰白色の軟毛で覆われる(Z. jujuba と区別する重要な識別特徴)
• 葉縁:微細な鋸歯縁〜波状鋸歯縁
• 3 本の目立つ基部葉脈(三出脈)を持つ
• 葉柄:長さ 0.5〜1.5cm。しばしばわずかに軟毛がある

花:
• 小型で目立たず、黄緑色、直径 3〜4mm
• 5 数性(萼片 5、花弁 5、雄しべ 5)
• 2〜20 個の花からなる腋生集散花序に付く
• 開花期は地域により異なる。インドでは通常、年 2 回(6〜7 月と 10〜11 月)の開花期がある
• 主にミツバチなどの昆虫によって受粉され、蜜を生産して花粉媒介者を惹きつける

果実:
• 核果。栽培品種により大きさや形状が非常に多様
• 大きさ:長さ 1.5〜6cm、直径 1〜4cm
• 形状:球形、卵形、長楕円形、または倒卵形
• 果皮:滑らかで薄く光沢がある。色は緑→黄→橙→赤褐色へと変化し、完熟すると紫黒色になる
• 果肉:白色〜淡黄色。やや未熟な間はパリッとして果汁が多く(生食用に好まれる)、完熟すると柔らかく粉っぽく、しわが寄る
• 1〜2 個の種子を含む、硬く粗い長楕円形の核(内果皮)を 1 個持つ
• 果実重量:栽培品種により 5〜40g
• 糖度:完熟時に 15〜30%。ビタミン C が豊富

根系:
• 広範な側根を持つ深い主根性
• 根からひこばりを出し、栄養繁殖することが可能
• 根粒は存在しない(マメ科のような窒素固定は行わない)
インドナツメは驚くべき耐乾性を有し、過酷な熱帯・亜熱帯環境に良く適応しているため、乾燥地および半乾燥地におけるアグロフォレストリー(混農林業)において重要な種となっています。

気候:
• 熱帯から温暖な亜熱帯気候でよく生育する
• 至適温度範囲:12〜40℃。短時間の軽い霜には耐えるが、-2℃以下では凍害を受ける
• 良好な結実と成熟のためには、明確な乾期を必要とする
• 年間降水量への耐性:150〜2,200mm。ただし、乾季のある 400〜800mm の環境で最も良く生育する
• 一旦根付けば極めて耐乾性が高く、落葉することで長期の干ばつを乗り切ることができる

土壌:
• 多様な土壌タイプに極めて順応性が高い
• 砂質土、壌土、粘土、ラテライト土壌に耐える
• アルカリ性土壌(pH 9.2 まで)および中程度の塩類条件にも耐える
• 過湿や排水不良の土壌には耐えない
• 海抜 0m から約 1,500m までの範囲で見られる

生態的相互作用:
• 花はミツバチにとって重要な蜜源であり、インドナツメ由来の蜂蜜はいくつかの地域で高価な製品となっている
• 果実は鳥、コウモリ、サル、その他の果食動物に食べられ、種子が散布される
• シェラックを生産するカイガラムシの一種・lac insect(Kerria lacca)の宿主植物となる
• 根からのひこばりを出す性質により、導入された一部の地域(オーストラリアや太平洋諸島など)ではやや侵略的になることがある
• アグロフォレストリーシステムにおいて、日陰や防風林として機能する

害虫と病気:
• ミバエの一種(Carpomyia vesuviana)が南アジアにおける最も深刻な害虫であり、収穫に甚大な被害を与える
• 食葉性のイモムシ、ダニ、カイガラムシが問題となることがある
• 多湿条件下では、うどんこ病や葉斑病が発生することがある
• 貯蔵中に Alternaria 属菌による腐敗果が発生することがある
インドナツメは、最も栽培が容易な熱帯果樹の一つであり、根付いてからはほとんど手入れを必要としないため、熱帯地域の家庭園や小規模農家での普及に貢献してきました。

気候と立地:
• 明確な乾季のある熱帯および温暖な亜熱帯地域に最も適する
• 良好な結実のためには、十分な日照が不可欠
• 霜の降りやすい場所は避ける。特に若木は耐寒性が低い

土壌:
• 水はけの良い土壌であれば、ほとんどの土壌タイプに適応する
• 痩せた土壌、アルカリ性土壌、中程度の塩類土壌にも耐える
• 過湿状態は避ける

植栽:
• 実生からも育つが、個体差が大きく結実まで 3〜5 年を要することがある
• 品種特性を維持するためには、栄養繁殖(パッチ接ぎまたは T 字接ぎ、実生台木への接ぎ木、取り木)が好まれる
• 株間:品種や管理体系によるが、6〜10m
• 活着を良くするため、雨季の初めに植栽する

灌水:
• 若木は植栽後 1〜2 年目まで定期的な灌水が必要
• 成木は極めて耐乾性が高く、追加の灌漑はほとんど、あるいは全く不要
• 根腐れを促進する過剰な灌水は避ける

剪定:
• 剪定は最小限でよい。枯死枝、病枝、交差枝を除去する
• 収穫後の軽い年 1 回の剪定は、樹形維持と新しい結果枝の発生を促す
• 不要な根からのひこばりは除去する

施肥:
• 一般的に肥料要求量は少ない
• 完熟した家畜糞尿や堆肥の年 1 回の施用が効果的
• 収量向上のため、生育期に平衡型の NPK 肥料を施用してもよい

収穫:
• 接ぎ木後 2〜4 年、実生では 4〜6 年で結実し始める
• 生食用としては、通常、色づき始め(黄色〜橙色)の段階で収穫する
• 一斉に熟さないため、複数回の収穫が必要になることがある
• 収量:品種や管理によるが、成木 1 本あたり年間 50〜200kg

繁殖:
• 種子(台木用または育種用)、パッチ接ぎ、接ぎ木、取り木、根からのひこばり

豆知識

インドナツメは驚くべき回復力と多様性を持った樹木であり、その文化的・生態学的歴史は非常に興味深いものです。 • ヒンドゥー教の伝統において、ナツメの木(ヒンディー語で「ベル」と呼ばれる)は神聖視され、女神ラクシュミーと関連付けられている。その葉は礼拝の際に供えられる • 果実は熱帯果樹の中で最もビタミン C が豊富な天然源の一つであり、栽培品種によっては新鮮な果肉 100g あたり 200mg を超えるものもあり、柑橘類に匹敵するかそれを上回る • インドナツメはシェラック産業における主要種である。この木は lac insect(Kerria lacca)の宿主となり、この昆虫が分泌する樹脂状物質が天然の木部塗料や食品用光沢剤であるシェラックの原料となる • この木の並外れた耐乾性により、他の多くの果樹が生き残れない地域でも結実する。限界環境下で栄養を供給するその能力から、「貧者の果実」とも呼ばれている • インドの一部地域では、焙煎したナツメの果実がコーヒーの代用として利用される • 木材は硬く強靭で耐久性があり、伝統的に道具の柄、農具、荷車の車輪などに用いられてきた • 伝統医学であるアーユルヴェーダでは、樹皮、葉、果実、種子、根など木のほぼ全ての部分が、消化器系の問題から皮膚疾患まで様々な症状の治療に薬用利用されている • この種はこれほどまで広範な熱帯地域に帰化しているため、オーストラリアや太平洋の島嶼国などでは、在来植生を駆逐する密な藪を形成することから、時に侵略的外来種とみなされることがある • 1 本の成木は 100 年以上にわたって果実を生産し続けることができ、多くの農業共同体において数世代にわたる食料源となっている

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