キイロピタヤ(Selenicereus megalanthus)は、黄色いドラゴンフルーツまたはキイロピタハヤとしても知られ、サボテン科に属するつる性のサボテンの一種です。その大きくて甘く、芳香のある黄色い果皮を持つ果実が高く評価されています。Hylocereus 属の赤肉種が一般的に栽培されているのに対し、Selenicereus megalanthus は小さな棘に覆われた鮮やかな黄色い果実をつけ、その内部は白い果肉に小さな黒い食用の種が点在しています。多くの果実愛好家の間で、すべてのドラゴンフルーツ種の中で最も風味が優れていると見なされています。本種は旺盛な生育を示す着生または岩生性のつる性サボテンであり、サボテン科全体でも最大級となる巨大で芳香のある夜咲きの花を咲かせます。この花は夜間にのみ開花し、主にコウモリやガによって受粉されます。
分類
• 自生地には、コロンビア、エクアドル、ペルー、ベネズエラ、および中央アメリカの一部が含まれます
• 標高 0~1,500~2,000 メートルに位置する乾燥熱帯林、低木地、および森林縁に自生します
• 属名の Selenicereus は、ギリシャ語の「月」を意味する selene と「ろうそく/蝋」を意味する cereus に由来し、月明かりの下で開花する夜咲きの性質を表しています
• 種小名の megalanthus は「大輪の」を意味し、長さ 25~35 cm に達する見事な花に言及したものです
• 他のドラゴンフルーツ種(Hylocereus 属)が東南アジア全域で広く商業栽培されているのに対し、S. megalanthus は果皮に棘があり栽培条件も厳しいため、栽培はあまり一般的ではありません
• 小規模栽培を目的として、中央アメリカ、カリブ海諸島、および熱帯アジアの限られた地域へ導入されています
茎:
• 細長く、三角形(3 稜)をしたつる性の茎(葉状茎)を持ち、長さは 5~15 メートルに達します
• 茎は緑色でやや多肉質であり、小さな刺座(アレオール)を持つ目立つ稜があります
• 刺座からは短く硬い棘(通常 1 刺座あたり 1~3 本、それぞれ長さ約 2~5 mm)が生じます
• 茎に沿って気根を発達させ、木や岩、トレリスなどに絡みついて支えとします
• 茎の断面は明確な三角形で、縁は波打っています
花:
• サボテン科でも最大級の花で、完全開花時には長さ 25~35 cm、幅 15~20 cm に達します
• 夜咲きで、日没後に開花し、通常は朝までには閉じ、一夜限りで咲き終わります
• 強い芳香があり、バニラに似た甘い香りを放って夜の受粉媒介者を惹きつけます
• 外花被片は黄緑色~赤褐色で、内花被片は純白です
• 多数の雄しべと目立つ中央の雌しべを持ちます
• 花芽は成熟した茎の刺座から発達し、満開になるまで数週間を要します
果実:
• 卵形~長楕円形で、長さ約 8~12 cm、直径 6~9 cm です
• 鮮やかな黄色い果皮が特徴で、小さく鋭い棘の房に覆われています(熟すと簡単にこすり落とせます)
• 果肉は半透明の白色で多汁であり、赤肉種のドラゴンフルーツよりも優れていると表現されることの多い甘く心地よい風味を持ちます
• 果肉全体に多数の微小で柔らかく黒い食用の種(約 2~3 mm)が埋め込まれています
• 果実 1 個あたりの平均重量:150~350 グラム
• 受粉から約 30~50 日で成熟します
種子:
• 黒色で小さく(約 2~3 mm)、果肉中に埋まっています
• 食用可能で、わずかな歯ごたえ(シャキシャキ感)を加えます
• 乾季が明確な季節的に乾燥する熱帯林や低木地が原産です
• 自然下では着生(树上)または岩生(岩石上)として生育し、気根を使って付着します
• 多肉質で水分を蓄える茎(CAM 型光合成)により、短期間の乾燥に耐えます
• 開花を開始するには明確な乾燥期間が必要であり、乾燥ストレスが花芽形成の重要な引き金となります
• 夜間に開花するのは、コウモリや大型のガによる受粉(コウモリ媒およびガ媒)への適応です
• 原産地では、コウモリ(特にグロッソファガ属など)や大型のスズメガ科のガが主要な受粉媒介者です
• 栽培下では、夜の受粉媒介者が不在なため、しばしば人工受粉が必要となります
• 水はけの良い基質を好みます。過湿な状態には耐えられません
• 生育温度帯:温暖な熱帯条件(20~35°C)でよく生育します。霜や 5°C 以下の低温が続く状態には弱いです
日照:
• 日向~半日陰を好みます。最適な結実のためには 1 日に少なくとも 6 時間の直射日光が必要です
• 極めて高温の地域では、茎の日焼けを防ぐために午後に軽い日陰を作ると効果的です
用土:
• 水はけが非常に良い砂質または岩混じりの土壌が必要です。粘質土や過湿な状態には耐えられません
• 至適 pH:6.0~7.0(弱酸性~中性)
• パーライトと粗い砂を配合したサボテン・多肉植物用の用土を用いれば、大型の鉢植えでも栽培可能です
水やり:
• 生育期(春~秋)は中程度に水やりを行います
• 乾燥期/休眠期(冬)は開花を促すために水やりを大幅に減らします
• 過剰な水やりは根腐れや枯死の最も一般的な原因です
温度:
• 至適生育温度:20~35°C
• 霜には耐えられず、5°C を下回ると障害が発生します
• 米国農務省(USDA)の耐寒区分 10~11 区が最も適しています
支柱:
• つる性サボテンであるため、丈夫なトレリス、支柱、または木などの支えが必要です
• 成熟した株は非常に重くなるため、支柱は頑丈である必要があります
増殖:
• 主に茎ざしによる挿し木で行います。成熟した茎の一部(約 20~30 cm)を切り取り、切り口を 5~7 日かけて癒合させてから、水はけの良い土に植え付けます
• 実生からも育てられますが、結実するまでに 3~5 年を要します(挿し木苗では 1~2 年)
受粉:
• 自然の夜間受粉媒介者がいない場合、人工受粉が推奨されます
• 夜間に新しく開いた花から花粉を集め、筆や綿棒を使って別の花の柱頭に授粉します
• 多くの場合自家和合性がありますが、異なる株間での交配により結実率と果実サイズが向上します
主な問題点:
• 過剰な水やりや水はけの悪い土壌に起因する根腐れ
• 急激な強光への露出による茎の日焼け(茶色や黄色の瘢痕)
• 長期間の多湿条件下での真菌性茎腐れ病
• コナカイガラムシやカイガラムシ類の発生
• 開花しない:多くの場合、日照不足、乾燥休眠期の欠如、または株の未熟が原因です
豆知識
キイロピタヤは植物界においていくつかの驚くべき特徴を持っています。 • その花はサボテン種の中でも最大級で、長さは最大 35 cm(約 14 インチ)に達します。しかも一晩しか咲かないため、開花を目撃することは稀で特別な出来事です • 属名の Selenicereus は、文字通りギリシャ語で「月のろうそく」を意味し、月光の下で輝くような白い花びらを広げる花への詩的な言及です • 果皮が滑らかで棘のない商業用ドラゴンフルーツ(Hylocereus 属)のほとんどとは異なり、S. megalanthus の果実は小さく鋭い棘に覆われています。これは、より広く栽培されている近縁種では品種改良によって失われた原始的な形質です • 本種は CAM 型光合成(ベンケイソウ型酸代謝)を行います。これは、夜間に気孔を開いて CO₂ を吸収し(水分の損失を最小限に抑える)、昼間の光合成のためにそれを蓄えるという、乾燥地帯への見事な適応です • 最適な条件下では、成熟した 1 株あたり年間 4~6 回の結実サイクルが可能で、各サイクルで複数の果実を実らせます • 果実の風味は、キウイ、ナシ、スイカをブレンドしたような味わいと表現されることが多く、糖度(Brix 値)は 20 度を超えることもあり、赤肉種のドラゴンフルーツのほとんどの品種よりもはるかに甘いです • 原産地では、花が伝統医学に用いられることもあり、果実は食用としてだけでなく、その鮮やかな黄色色素から天然染料としても重宝されています
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