サルナシ(Actinidia arguta)は、マタタビ科マタタビ属に属する落葉性のつる性植物で、キウィベリー、ベビーキウィ、カクテルキウィなどの別名でも知られています。果皮に毛が生えている近縁種の一般的なキウィフルーツ(Actinidia deliciosa)とは異なり、サルナシはブドウのように皮ごと丸ごと食べられる、小さく滑らかな果皮を持つ果実を実らせます。
• 中国、韓国、日本、ロシア極東など、北東アジアの温帯林が原産地です
• 冬の気温が−30 °C(−22 °F)まで下がる環境にも耐えることができ、栽培されている果樹用つる植物の中で最も耐寒性の高い種の一つです
• 果実の長さは通常 1.5〜3 cm で、キウィ、イチゴ、メロンを混ぜ合わせたような甘酸っぱい風味が特徴です
• 雌雄異株であり、個体ごとに雄株と雌株が決まっているため、結実させるには両方の性が必要です
• 健全な雌株 1 本あたり、最適な条件下では 1 シーズンに最大 45 kg(100 ポンド)もの果実を生産することができます
• マタタビ属(Actinidia)には約 50〜60 種が含まれており、その多くは中国に自生しており、同地域がこの属の多様性の中心であると考えられています
• 属名の「Actinidia」は、花の柱が放射状に並ぶ様子に由来するギリシャ語の「aktis(光線)」に由来します
• 種小名の「arguta」はラテン語で「鋭い歯を持つ」を意味し、葉の縁が鋸歯状になっていることに由来します
• Actinidia deliciosa(一般的なキウィフルーツ)は 20 世紀初頭にニュージーランドに導入されて世界のキウィ産業の基盤となりましたが、A. arguta は原産地においてそれよりはるかに長い野生収穫の歴史を持っています
• サルナシは 19 世紀後半から 20 世紀初頭にかけて、観賞用および実験的な果樹作物として米国やヨーロッパに導入されました
• サルナシの商業栽培は 1990 年代以降著しく拡大しており、ニュージーランド、米国、イタリア、チリなどの育種プログラムによって改良品種が開発されています
茎と樹皮:
• 茎は太く、巻きつく性質があり、成熟した個体では基部の直径が 10 cm を超えることもあります
• 樹皮は茶色から灰褐色で、目立つ皮目(れんちきょう)があります
• 若枝はしばしば赤茶色で、細かい軟毛に覆われています
• このつる植物は、時計回りに支柱に巻きつきながら登っていきます
葉:
• 互生し、単葉で、広卵形から楕円形、長さ 8〜15 cm、幅 5〜10 cm
• 葉縁は細かく鋸歯状(鋭い歯状)になっています
• 葉の表面は濃緑色で光沢があり、裏面は淡く、はっきりとした葉脈が見えます
• 葉柄の長さは 3〜8 cm で、しばしば赤みを帯びています
• 秋には落葉前に葉が黄色くなります
花:
• 雌雄異株:雄花と雌花が別の株に咲きます
• 花には香りがあり、白色〜緑白色で、直径は約 1.5〜2 cm です
• 通常、葉腋に単独で、あるいは 2〜3 個の小さな房状につけます
• 開花期は晩春から初夏(北半球では 5 月〜6 月)です
• 雄花には多数の雄しべと黄色い葯がありますが、機能的な雌しべはありません
• 雌花には中央に目立つ雌しべがあり、そこから放射状に柱枝が伸びており、雄しべは退化して機能しません
果実:
• 果皮が滑らかな液果で、長さは 1.5〜3 cm、重さは 5〜15 g です
• 果皮は熟すと緑色から赤紫色になり、全体が食用可能です(毛がありません)
• 果肉は鮮やかな緑色(時には果皮の近くが赤みを帯びることもあり)、多汁で、多数の小さな黒い種子を含んでいます
• 種子は小さく(約 2 mm)、食用可能で、取り除く必要はありません
• 果実は晩夏から秋(9 月〜10 月)に熟します
• 成熟時の糖度は 14〜20 °Brix に達することがあります
• ビタミン C を豊富に含み、生果 100 g あたり 100 mg を超えることもよくあります
• 標高範囲:原生地では通常、標高 100〜1,500 m の範囲に生育します
• 水はけが良く、腐植に富み、弱酸性から中性(pH 5.5〜7.0)の土壌を好みます
• 適切に結実させるためには、約 600〜800 時間の 7 °C(45 °F)以下の低温にさらされる休眠期間が必要です
• 花は主にハチなどの昆虫によって受粉され、風による受粉はわずかです
• 野生下では、果実は鳥や小型哺乳類に食べられ、種子が散布されます
• このつる植物は、巻きつく性質によって小さな木や低木を圧倒してしまう可能性があるため、強固なトレリス、アーバー、その他の構造的な支柱を必要とします
• 原産地以外の一部の地域(例えば米国北東部の一部)では、その旺盛な成長力と在来植物を日陰で覆い尽くす能力により、侵略的な性質を示すことがあります
• 晩春の霜に弱く、新芽や花が損傷を受ける可能性があります
日照:
• 日向から半日陰を好みます。果実の収穫量を最大化するには、1 日あたり少なくとも 6〜8 時間の直射日光が必要です
• 非常に暑い気候の地域では、午後の日陰が葉焼けを防ぐのに役立ちます
土壌:
• 有機物が豊富で、深く、水はけの良い肥沃な土壌を好みます
• 理想的な pH:5.5〜7.0(弱酸性から中性)
• 過剰な水分を保持する重い粘土質の土壌は避けてください
水やり:
• 特に果実の発育期間中は、一定の水分供給が不可欠です
• 週に約 2.5〜5 cm(1〜2 インチ)の水やりを目安にしてください
• 株元にマルチングを施すことで、土壌の水分保持と温度調節に役立ちます
温度:
• 非常に耐寒性が高く、完全に休眠している状態であれば、冬の最低気温が−30 °C(−22 °F)まで下がる環境にも耐えます
• 晩春の霜は新しい成長部分や花を損傷させる可能性があるため、植え付け場所としては霜の降りやすい窪地を避けるべきです
• 最適な生育期間中の気温は 15〜25 °C(59〜77 °F)です
受粉:
• 雌雄異株:十分な受粉を得るためには、雌株 6〜8 本に対して少なくとも 1 本の雄株が必要です
• 自家受粉性を有する品種も一部に存在しますが、それでも他家受粉させた方が効果的です
• 雄株と雌株は互いから 9〜15 m(30〜50 フィート)の範囲内に植えてください
支柱と剪定:
• 果実の重みで重くなったつるを支えることができる、強固なトレリス、パーゴラ、またはアーバーが必要です
• 生産性を維持し、生育の勢いを管理するためには、毎年冬に行う剪定が不可欠です
• 雌株は、1 年生の結果枝を残し、古くて実のつかない蔓を除去するように剪定します
• 雄株は開花後により強めに剪定することができます
増殖:
• 初夏に採取した軟質挿し木(発根促進剤を使用)
• 晩夏の半軟質挿し木
• 種からの増殖も可能ですが、雌雄の比率が予測できず、果実の品質もバラつく可能性があります
• 商業生産では、実生苗を台木とした接ぎ木が行われます
よくある問題点:
• 花や新芽に対する晩霜による被害
• 受粉不足や適合する雄株の欠如による結実不良
• 水はけの悪い土壌における根腐れ
• 砂質土壌におけるネコブセンチュウへの感受性
• 地域によっては、シカによる食害が若い株にダメージを与えることがあります
豆知識
サルナシは植物界において、いくつかの驚くべき特徴を持っています。 • 成熟した 1 本のつるは、1 回の生育シーズンで 6 m(20 フィート)以上も成長することがあり、最も成長が速い温帯性の果樹用つる植物の一つです • 果実にはアクチニジン(システインプロテアーゼの一種)というタンパク質を分解する酵素が含まれており、これはキウィフルーツを天然の肉軟化剤とし、ゼラチンを固まらなくする原因となるのと同じ酵素です • サルナシの果実は、最もビタミン C が豊富な果物の一つであり、品種によっては生果 100 g あたり 100 mg を超えるビタミン C を含んでおり、オレンジに匹敵するかそれを上回ります • 果肉に埋め込まれた小さな黒い種子は食用可能で、食物繊維やオメガ 3 脂肪酸を補給する源となります • 中国の伝統医学では、マタタビ属の植物の根や茎が、黄疸、浮腫、関節リウマチなどの治療に何世紀にもわたって使用されてきました • このつる植物の巻きつく力は非常に強く、成熟した茎は巻きついた木を絞め殺して枯らしてしまうほどの力を発揮することもあり、一部の地域では「絞め殺しのつる」というあだ名で呼ばれることもあります • 皮をむく必要がある毛むくじゃらのキウィフルーツとは異なり、サルナシは滑らかで毛のない皮をしているため、果実全体をそのまま口に放り込んで食べられるという利便性があり、そのことから「キウィベリー」というマーケティング名で呼ばれることもあります
詳しく見るコメント (0)
まだコメントがありません。最初のコメントを書きましょう!