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ネムノキ

ネムノキ

Albizia julibrissin

ネムノキ(Albizia julibrissin)は、ペルシャネムまたはミモザとしても知られる優雅な落葉高木で、真夏に樹冠全体を柔らかいピンクの雲のように覆う、絶妙に繊細なパフ状のピンクの花で有名です。その二回羽状複葉は夜間や雨中に閉じる性質を持ち、何世紀にもわたり庭師を魅了してきた、微細に反応するかのような、ある種の意思を感じさせる特質を備えています。

• 属名の Albizia は、18 世紀にコンスタンティノープルからこの種をヨーロッパへ導入したイタリアの貴族、フィリッポ・デッリ・アルビッツィにちなんで名付けられました。
• 種小名の「julibrissin」は、ペルシャ語の「gul-i abrishtin(絹の花)」に由来します。
• 一般名にミモザと付いていますが、真正のミモザ(ミモサ属)とは異なり、同じマメ科に属する別属の植物です。
• 葉は「睡眠運動」と呼ばれる夜行性運動(ニクチナスティ)を示し、日没時に閉じて夜明けに開きます。
• 米国南東部で広く帰化しており、地域によっては侵略的外来種とみなされています。

ネムノキ(Albizia julibrissin)は、イランやコーカサスから中央アジアを経て、中国、朝鮮半島、日本に至る広範な地域が原産です。

• 元来、南西および東アジアの開けた林地、林縁、攪乱された土地に自生していました。
• 18 世紀半ば、フィリッポ・デッリ・アルビッツィがコンスタンティノープルからイタリア・フィレンツェ近郊の自らの庭園へ持ち込んだのが、ヨーロッパへの初導入です。
• 18 世紀後半から 19 世紀にかけて、ヨーロッパの庭園で流行した観賞樹となりました。
• 1785 年に観賞用として米国へ導入され、その後、南東部の広範囲で帰化しました。
• また、世界中の多くの温帯および亜熱帯地域へも導入されました。
• 自生地では、標高 0 メートルから約 1,500 メートルの範囲で生育します。
• 本種は何世紀にもわたり中国や日本の庭園で栽培され、その優美な樹形と夏の花が珍重されてきました。
ネムノキ(Albizia julibrissin)は、幅広く平らな樹冠と広がりを持つ枝を持つ、小〜中規模の落葉高木です。

樹形と大きさ:
• 通常、樹高 5〜12 メートル、樹幅 5〜10 メートルに生育します。
• 樹冠は若いうちは壺状をしていますが、成長するにつれて幅広く広がり、頂部が平らになります。
• 幹は短く、直径は通常 20〜40 センチメートルで、滑らかな灰褐色の樹皮をしています。
• 枝は広がり、先端がわずかに垂れ下がることがよくあります。

葉:
• 大きく、二回羽状複葉で、長さは 20〜45 センチメートル。8〜20 対の小葉軸(羽片)を持ちます。
• 各羽片には、長さ 5〜12 ミリの小さな長方形の小葉が 20〜40 対つきます。
• 小葉は表面が濃緑色、裏面が淡色で、夜間(夜行性運動)や雨中に閉じます。
• 葉は樹冠に繊細でシダのような外観を与えます。

花:
• 直径 3〜5 センチメートルの、密生した頂生するパフ状の花序をつけます。
• 個々の花には一般的な花弁がなく、見栄えのする部分は実際には長く絹のような雄しべです。
• 雄しべは先端がピンク〜濃ピンク、基部に向かって白色をしており、グラデーションを描きます。
• 非常に芳香が強く、6 月から 8 月にかけて大量に開花します。
• 花はミツバチ、チョウ、ハチドリを豊富に惹きつけます。

果実:
• 平たく、わら色をした莢(さや)で、長さ 10〜20 センチメートル、幅 1.5〜2.5 センチメートルです。
• 莢は冬を通じて、時には翌春まで木に残ったままになります。
• 各莢には、平たく茶色で楕円形の種子が 5〜10 個含まれています。
ネムノキ(Albizia julibrissin)は順応性が高く、自生地および導入地の双方において多様な環境に生育します。

生育環境:
• アジアの自生地では、開けた林地、林縁、草原、渓流沿いなどに生育します。
• 乾燥、貧弱な土壌、都市部の汚染に対して非常に耐性があります。
• 日向を好みますが、半日陰にも耐えます。
• 粘土、壌土、砂質土など、多様な土壌で生育します。
• 塩風にも耐えるため、海岸地域に植栽されることもあります。

生態系における役割:
• 根粒菌との共生により窒素固定を行い、土壌の肥沃度を向上させます。
• 花は真夏の間、ミツバチやチョウにとって重要な蜜源となります。
• 種子は鳥や小型哺乳類に食べられます。
• 広がる樹冠は鳥の営巣場所を提供します。
• 米国南東部、日本、アフリカの一部では侵略的外来種とみなされており、在来植物を抑制する密なやぶを形成することがあります。
• 損傷後に根からひこばえを勢いよく出すため、不要な場所での防除が困難な場合があります。
アジアに広く分布しているため、世界的には「低懸念(LC)」と評価されています。

• アジアの自生地全域で一般的であり、個体群は安定しています。
• 米国南東部などいくつかの地域では侵略的外来種化しており、在来の植物群落を脅かしています。
• 米国では、複数の州で有害雑草に指定されています。
• 自然地域への拡大を防ぐため、伐採、輪状剥皮、除草剤の散布などの防除措置が行われています。
• 侵略の潜在的可能性を最小限に抑えるため、結実量が減った園芸品種もいくつか開発されています。
植栽:
• 種子または挿し木で増殖します。
• 種子には傷つけ処理(スカリフィケーション)が必要です。休眠を破るために熱湯に浸すか、やすりで傷をつけます。
• 最終霜の後の春に播種します。発芽まで 7〜14 日かかります。
• 夏に採取した半成熟枝の挿し木は、発根促進剤を使用すれば容易に発根します。
• 成長が速く、播種から 2〜3 年で開花することがよくあります。
• 日向と水はけの良い土壌を好みます。
• 多様な土壌 pH や土質に適応します。
• 米国農務省(USDA)の耐寒区分 6 区から 10 区に耐寒性があります。
• 活着後は乾燥に強くなります。
• 樹形の維持や枯れ枝の除去のため、晩冬に剪定を行います。
• 比較的病虫害は少ないですが、樹木を枯らすこともある維管束萎凋病である「ネモンキフザリウム病(Fusarium oxysporum f. sp. perniciosum)」には注意が必要です。
• 侵略的になる可能性のある自然地域の近くへの植栽は避けてください。
• 侵略の潜在的可能性を減らすため、'サマーチョコレート' や 'オンブレラ' などの不稔性品種の植栽を検討してください。
利用法:
• 派手な花とシダのような葉を楽しむ観賞樹として広く植栽されています。
• 小〜中規模の庭園で優れた日陰を作ります。
• 中国伝統医学で利用され、樹皮(合歓皮:ごうかんぴ)はうつ病、不安、不眠症の治療に用いられます。
• 花(合歓花:ごうかんか)も同様の鎮静目的で中国伝統医学で使用されます。
• 現代の研究により、樹皮や花の抽出物に抗不安作用や抗うつ作用があることが確認されています。
• 木材は燃料や小物の材料に利用されます。
• 葉は緊急時の家畜の飼料として使われることがあります。
• 窒素固定能により、土壌改良種として植栽されます。
• 土地の再生事業や侵食防止プロジェクトに利用されます。
• アジアの一部の文化圏では、若葉や花を調理して食用とすることもあります。

豆知識

ネムノキの葉は夜行性運動(ニクチナスティ)を示し、夜間に閉じて夜明けに開きます。この現象に触発され、18 世紀のスウェーデンの植物学者カール・リンネは、異なる夜行性運動のリズムを持つ植物を用いて「花時計」の庭園を造りました。この木のペルシャ名「gul-i abrishtin」は「絹の花」を意味し、その絹のような雄しべは、かつて中央アジアの一部で枕や座布団の詰め物として使われていました。

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