ゴールデン・カラント(Ribes aureum)は、スグリ科に属する落葉低木で、北アメリカ西部が原産です。スグリやグーズベリーを含むスグリ属(Ribes)の中で、最も分布が広く、適応力の高い種の 1 つです。
• 樹高 1〜3 メートルに生育し、丸みを帯びた多数の幹を持つ樹形を示す
• 早春に芳香のある黄金色〜黄色の筒状の花を咲かせる
• 花の後には、緑色から黄色、琥珀色、あるいはほぼ黒色へと熟す食用の実をつける
• 観賞価値、野生生物の生息地としての機能、食用果実として高く評価されている
• 春に最も早く開花する低木の一つであり、花粉媒介者にとって重要な早春の蜜源となる
• 標高約 300 メートルの低地にある河川流域から、約 3,000 メートルの山地帯まで、広範な標高範囲に生育する
• 河川沿いの回廊地帯、渓谷の底、開けた林地、草原の縁など、多様な環境で繁茂する
• スグリ属(Ribes)には約 150〜200 種が含まれ、北半球の温帯から中央アメリカおよび南アメリカの山岳地帯にかけて分布する
• Ribes aureum には、var. aureum、var. gracillimum、var. villosum(強く芳香を放つ花からクローブ・カラントまたはバッファロー・カラントとして一般的に知られる)の 3 つの公認変種が認められている
• 本種は 1814 年、植物学者フレデリック・トラウゴット・パーシュによって初めて正式に記載された
茎と樹皮:
• 茎は直立〜広がり、高さ 1〜3 メートル、幅 1〜2 メートルの丸みを帯びたやぶを形成する
• 樹皮は若いうちは滑らかで灰褐色を呈し、加齢とともにわずかに繊維状に剥がれるようになる
• トゲや棘を持たない(同属の多くのグーズベリー種と区別される特徴)
葉:
• 単葉で互生し、掌状に 3 つ(まれに 5 つ)の浅く〜中程度の深さの裂け目を持つ
• 葉身は長さ 1.5〜4 センチメートルで幅もほぼ同等、縁には鋸歯がある
• 春から夏は鮮やかな緑色をし、秋には黄色から橙赤色へ変色する
• 葉は早春に展開し、しばしば開花と同時期か、わずかに先行する
花:
• 5〜15 個以上の花からなる、目立つ下垂性の総状花序につく
• 個々の花は筒状〜鐘形で長さ約 1〜1.5 センチメートル、鮮やかな黄金色〜黄色を呈する
• 非常に芳香が強く、その香りはスパイシー、クローブ風、あるいはバニラやナツメグを連想させると表現されることが多い(特に変種 villosum)
• 開花期は早春〜春半ば(緯度と標高により 3 月〜5 月)
• 両性花で、花弁 5 枚、萬 5 個、雄しべ 5 本からなる
果実:
• 直径約 8〜12 ミリの小型で丸い液果
• 変種により、緑色から黄色、琥珀色、赤みを帯びた色、あるいはほぼ黒色へと熟す
• 各果実には、柔らかい果肉に埋もれた多数の微小な種子が含まれる
• 果実は夏の中頃(6 月〜8 月)に成熟する
• 食用可能で、変種や熟度により甘酸っぱい風味を示す
生育地:
• 渓流、河川、湧水沿いの河畔域
• 湿潤な渓谷の底や北向き斜面
• ポンデロサマツや混合針葉樹からなる開けた林地
• 草原の縁やセージブラッシュ・ステップ(しばしば水源の近く)
• 半日陰にも耐えるが、開花と結実は日向で最も盛んになる
土壌と水分:
• 砂質、壌土、粘土質など多様な土壌に適応する
• 水はけが良く、かつ常に湿潤な土壌を好む
• 一度根付けば、中程度の乾燥耐性を示す
• アルカリ性土壌(pH 約 8.0 まで)にも耐える
受粉と種子散布:
• 花は主に長い口吻を持つハチ、チョウ、ハチドリによって受粉される
• 早春の開花は、他に花を咲かせる植物がほとんどいない時期の重要な蜜源となる
• 果実はツグミ類、イカル類、ヒレオトウヒタキなど多数の鳥類や小型哺乳類に摂食され、種子が散布される
• また、地下茎からひこばえを出して栄養繁殖し、時間とともに密なやぶを形成する
野生生物への価値:
• 鳴き鳥の隠れ家や営巣場所を提供する
• 葉はシカやエルクに採食される
• 数種のガやチョウの幼虫に対する食草となる
日照:
• 日向〜半日陰
• 開花と結実を最大化するには日向(1 日 6 時間以上の直射日光)が最適
• 特に高温地では、薄い日陰にも耐える
土壌:
• 多様な土壌タイプに適応する
• 水はけが良く、肥沃度が中程度の土壌を好む
• 粘土、壌土、砂質土壌に耐える
• pH 範囲:6.0〜8.0(弱酸性〜中アルカリ性)
水やり:
• 中程度の水やりを必要とし、常に湿潤な状態を好む
• 根付けば、短い乾燥期間にも耐える
• 株元にマルチを施すことで、土壌水分の保持と雑草抑制に役立つ
温度:
• 極めて耐寒性が強く、冬季の気温が約マイナス 35℃まで低下しても耐える(USDA 耐寒性区分 3〜8 帯)
• 大陸性気候および半乾燥気候のいずれでも良好に生育する
剪定:
• 樹形を整える場合は、結実後に剪定する
• 枯死枝、損傷枝、交差枝は冬後半〜早春に除去する
• 株が間延びした場合は、強剪定により若返りを図ることができる
増殖:
• 種子:発芽率を高めるには低温処理(1〜5℃で 60〜90 日間)が必要
• 初夏に採取した軟質枝さし木は容易に発根する
• 冬後半の硬質枝さし木も成功しやすい
• 休眠期に親株からひこばえを分離して増やすことができる
主な問題点:
• 一般的に害虫や病気への耐性が高い
• まれに五葉マツ類の生育地域で問題となる真菌性病害「マツサビ病菌(Cronartium ribisola)」の中間宿主となることがあるため、植栽前に地域の規制を確認すること
• 高温乾燥条件下では、アブラムシやハダニが発生することがある
• 湿度が高く換気が悪い条件下では、うどんこ病が発生することがある
豆知識
ゴールデン・カラントの非常に芳香の強い花、特に変種 villosum の花は、植物界全体でも最も特徴的な香りの一つを持ち、しばしばクローブ、バニラ、ナツメグが混ざったような香りと表現されます。この香りは非常に強く、花房が 1 つ咲くだけで庭全体を香りづけるほどです。 • 属名の「Ribes」は、アラビア語またはペルシャ語の「ribas(酸っぱい、すっぱい)」に由来し、果実の酸味を指している • 種小名の「aureum」はラテン語で「黄金色」を意味し、鮮やかな黄色の花に由来する • ゴールデン・カラントは北アメリカ西部の先住民族にとって重要な食用植物であり、果実は生食されるほか、冬用に乾燥保存されたり、肉や脂肪と混ぜてペミカンに加工されたりした • 20 世紀、スグリ属(Ribes)の種は、商業的に重要な五葉マツ類に壊滅的な被害を与える「マツサビ病菌」の中間宿主となることから、米国多くの地域で栽培が禁止されたが、現在では多くの地域で規制が緩和されている • ゴールデン・カラントは、スグリ属の中で数少ない自家和合性を持つ種の 1 つであり、単独の個体でも受粉相手がいなくても結実するが、近くに別の株がある方が結実率は向上する
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