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バッファローバー

バッファローバー

Solanum rostratum

バッファローバー(Solanum rostratum)は、ナス科に属するトゲのある一年生草本で、強力な棘と毒性で悪名高い植物です。北アメリカのグレートプレーンが原産地ですが、現在では複数の大陸に広がる侵略的外来雑草となっています。

• バッファローバー、カンザスアザミ、テキサスアザミ、イバラナスなどの一般名で知られています
• アザミに似た外見をしていますが、キク科の真のアザミ類とは近縁ではありません
• 種小名の「rostratum」は「くちばし状の」を意味し、果実の特徴的な曲がったくちばしのような形状に由来します
• 歴史的に重要なのは、1850 年代に栽培ジャガイモへ宿主を移す前に、この植物上でコロラドハムシ(Leptinotarsa decemlineata)が初めて発見されたことであり、これが北アメリカ史上最も壊滅的な農業害虫の大発生の引き金となりました

バッファローバーは北アメリカ中央部のグレートプレーンが原産で、アメリカ合衆国中南部からメキシコ北部にかけて自生しています。

• カンザス州、ネブラスカ州、コロラド州、オクラホマ州、テキサス州、ニューメキシコ州などが原生地に含まれます
• ヨーロッパ、アジア、オーストラリア、アフリカの一部地域に導入され、帰化しています
• 原生地の外にある多くの地域で侵略的外来種とみなされています
• 攪乱された環境、道端、過放牧された牧草地、農地で繁茂します
• トゲのある果苞(がいほう)が動物の毛皮、羊毛、衣服、機械類に容易に付着して拡散するため、その分布が促進されます
バッファローバーは丈夫で直立する一年生草本で、通常は高さ 30〜100cm に生育しますが、条件が良ければ 150cm に達することもあります。

茎と葉:
• 茎は鋭く黄色からわら色の棘(長さ 5〜10mm)と星状毛で密に覆われています
• 葉は互生し、深く羽状に裂け(1〜2 回羽状深裂)、長さは 5〜15cm で、縁は不規則な鋸歯状か裂けます
• 葉の表裏の両面に細かい星状の軟毛が生え、葉脈に沿って棘がまばらにあります

花:
• 鮮やかな黄色で 5 枚の花弁を持ち、星形で直径は約 2〜3.5cm です
• 晩春から秋にかけて(北半球では 5 月から 10 月)開花します
• 花は異形花性を示し、異なる形状の葯(やく)を持つ 2 種類の花を生じます(異葯性と呼ばれる稀な現象)。これにより交配が促進されると考えられています
• 主にマルハナバチ(Bombus 属)による振動受粉によって受粉されます

果実と種子:
• 果実は小さな液果(直径約 1〜1.5cm)で、密に棘があり膨らんだ萼(「バー」と呼ばれる部分)に包まれています
• トゲのある果苞がこの植物の最も特徴的な部分であり、容易に識別できます
• 各果苞には多数の小さく平たい黒〜暗褐色の種子(約 2〜3mm)が含まれています
• 種子は土壌種子バンク中で数年間生存可能です
バッファローバーは、水はけの良い土壌を持つ攪乱された開けた環境のパイオニア種です。

• プレーリー、放牧地、道端、鉄道沿い、放棄された農地、過放牧された牧草地で一般的に見られます
• 日向を好み、砂質、壌質、粘土質など幅広い土壌に適応します
• 定着後は耐乾性があり、半乾燥地帯から亜湿潤な気候で繁茂します
• 攪乱された土地における初期遷移に役割を果たしますが、安定した植物群落では一般的に競合に負けます
• トゲのある果苞は、家畜や野生動物の毛皮や羊毛に付着する効果的な散布機構となります
• 一部在来昆虫の餌となりますが、トゲと毒性のため、放牧動物には概ね避けられます
バッファローバーは、葉、茎、果実、種子のすべての部分にステロイド系グリコアルカロイド(主にソラニンとソラソニン)を含むため有毒です。

• 摂取すると、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛などの胃腸障害を引き起こします
• 重症の場合、めまい、錯乱、脱力、呼吸抑制などの神経症状が生じる可能性があります
• 家畜、特に汚染された干し草を摂取したり、深刻な侵入が見られる牧草地で放牧された牛や羊での中毒事例が報告されています
• トゲのある果苞は、放牧動物の口の中や消化管に物理的な損傷を与えることがあります
• 毒性のレベルは植物の成長段階や環境条件によって異なり、一般的に未熟な果実や緑色の組織により高濃度のアルカロイドが含まれます
• 子供が果実を食べられる果実と間違えて摂取し、中毒するリスクがあります
バッファローバーは意図的に栽培されることはなく、多くの管轄区域で有害雑草とみなされ、防除・駆除プログラムの対象となっています。

• 米国の一連の州や他の国々で有害雑草に指定されています
• 防除方法には、機械的除去(結実前の手引きや刈り取り)、選択的除草剤の散布、生物的防除剤の利用などがあります
• 葉食性のカミキリモドキの一種 Leptinotarsa texana や、ガの一種 Frumenta nundinella が潜在的な生物的防除剤として研究されています
• 拡散の防止には、侵入区域での作業後の機器や衣服の洗浄、家畜への果苞の付着検査が含まれます
• 輪作や競争力のある健全な植物群落の維持により、その定着を抑制できます

豆知識

バッファローバーは、コロラドハムシ(Leptinotarsa decemlineata)の本来の宿主植物として農業史上特筆すべき地位を占めています。 • 1859 年以前、この甲虫はロッキー山脈地域でバッファローバーのみを餌とする、比較的無名の昆虫でした • 入植者が甲虫の生息域内でジャガイモの栽培を始めると、この昆虫は近縁のジャガイモ(Solanum tuberosum)へと劇的に宿主を移しました • それから 20 年以内に、この甲虫は米国全土を東へと広がり、ジャガイモ作物に壊滅的な被害を与え、世界で最も悪名高い農業害虫の一つとなりました • この宿主転換は、急速な生態学的適応の古典的な例とみなされ、進化生物学の教科書で頻繁に取り上げられています バッファローバーの異葯性(同じ花の中で形態的に異なる 2 種類の葯を生産すること)は、興味深い生殖戦略です。 • 一方の葯の群れは大きく目立ち、主に花粉媒介者を引きつけ、交配を促進する役割を担います • もう一方の群れは小さく目立たず、しばしば自家受粉を行い、花粉媒介者が少ない場合でも繁殖を確実にします • 葯におけるこの「役割分担」は、遺伝的多様性(他家受粉)の利点と自家受精の確実性のバランスを取るものと考えられています • 異葯性は植物界では比較的稀であり、送粉生態学において現在も活発に研究されている分野です

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