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ブルーパロベルデ

ブルーパロベルデ

Parkinsonia florida

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ブルーパロベルデ(Parkinsonia florida、旧名 Cercidium floridum)は、北アメリカのソノラ砂漠に自生する印象的な落葉高木です。乾燥期に葉を失った際にも光合成を行う、特徴的な青緑色の樹皮と枝でよく知られています。アリゾナ州の木であり、アメリカ南西部の砂漠地帯を象徴する存在であるとともに、自生生態系におけるキーストーン種でもあります。

分類

Plantae
Tracheophyta
Magnoliopsida
Fabales
Fabaceae
Parkinsonia
Species Parkinsonia florida
ブルーパロベルデはソノラ砂漠地域に固有であり、カリフォルナ州南東部からアリゾナ州南部、さらにメキシコ北西部(ソノラ州およびバハ・カリフォルニア州)にかけて分布しています。

• 分布域は主に、標高約 1,200 メートル以下の砂漠の渓流跡(ワッシュ)、扇状地、砂質または礫質の平地に限定されます
• 属名の Parkinsonia は、17 世紀のイギリスの植物学者ジョン・パーキンソンに由来します
• 種小名の「florida」は、米国フロリダ州ではなく、その華やかな花つきを指しています
• 一般名の「パロベルデ(Palo Verde)」はスペイン語で「緑の棒」を意味し、光合成を行う緑色の樹皮に由来します
• ブルーパロベルデは 1954 年にアリゾナ州の公式な州の木に指定されました
ブルーパロベルデは小高木から中木に成長する落葉樹で、通常、樹高は 6〜9 メートル(20〜30 フィート)、樹冠の広がりも同程度です。

幹と樹皮:
• 幹は比較的短く、低い位置で分枝することが多く、直径は 20〜40 cm です
• 樹皮は滑らかで、鮮明な青緑色から灰緑色をしており、葉緑素を含んで光合成を行います
• 若枝は青緑色で棘があり、ジグザグ状に伸びます
• 樹齢を重ねると、主幹の樹皮はやや粗くなり、灰色がかってきます

葉:
• 小型の二回羽状複葉(長さ約 1〜3 cm)で、小葉軸は 1〜3 対のみです
• 葉は短命で、降雨後に短期間だけ展開し、乾燥時には水分保持のために落葉します
• 1 年の大半で落葉していることもあり、葉のない期間は緑色の樹皮に依存して光合成を行います

棘:
• 葉腋に 1 対の鋭い棘(長さ約 5〜15 mm)を持ちます
• 草食動物からの防御の役割を果たします

花:
• 鮮やかな黄色で 5 枚の花弁を持ち、直径は約 1.5〜2.5 cm です
• 春(通常 3 月から 4 月)に大量に開花し、樹冠全体を覆うこともあります
• 花には香りがあり、特に在来のハチなど多様な花粉媒介者を惹きつけます
• 各花には 10 本の雄しべと 1 本の雌しべがあります

果実と種子:
• 平たいマメ科特有の莢(さや)を実らせます(長さ約 4〜8 cm)
• 莢は種子の間でくびれており、節くれだった外観を呈します
• 種子は硬い種皮を持ち、土壌中で数年間も生存能力を保つことができます
• 莢は乾季になっても木に残っていることが多いです
ブルーパロベルデはソノラ砂漠のキーストーン種であり、その生態系において極めて重要な役割を果たしています。

生育地:
• 主に砂漠の渓流跡(アロヨ)、沖積扇、砂質または礫質の平地に生育します
• 極度の高温や長期間の干ばつに耐え、年間降水量が 75〜250 mm 程度の地域にも適応しています
• サグアロ(Carnegiea gigantea)、クレオソートブッシュ(Larrea tridentata)、アイアンウッド(Olneya tesota)など、他のソノラ砂漠の植物と共生して生育することがよくあります

受粉と種子散布:
• 花は主に、専門化した砂漠のハチを含む在来のハチ類によって受粉されます
• 種子は、鉄砲水による水流や、莢を食べる動物によって散布されます
• 硬い種皮を発芽させるには、(川床での転がりなどによる)傷つけ処理(スカリフィケーション)が必要です

生態学的役割:
• 他の砂漠植物の幼苗に対し、重要な日陰や隠れ家を提供します(ナースツリー効果)
• 根粒菌(Rhizobium 属)との共生により窒素固定を行い、栄養分に乏しい砂漠の土壌を豊かにします
• 花は、砂漠の花粉媒介者にとって、季節序盤における重要な蜜や花粉源となります
• 種子や莢は、鳥類、げっ歯類、その他の野生生物に摂食されます
ブルーパロベルデは、現在、絶滅危惧種または危急種には指定されていません。しかし、その自生地であるソノラ砂漠は、以下のような継続的な圧力にさらされています。

• フェニックスやツーソンなどの都市圏における都市拡大が、自然個体群の生息地を侵食しています
• 外来のイネ科植物(バッファローグラス:Pennisetum ciliare など)の侵入により、ブルーパロベルデを含む在来植物が適応していない火災の発生頻度が増加しています
• 地下水の枯渇や気候変動により、幼苗の定着に不可欠な砂漠の渓流跡の水文学が変化する可能性があります
• 本種は乾燥地造園(ゼリスケープ)や砂漠景観において広く栽培されており、これにより野生個体群以外の遺伝的多様性の維持に貢献しています
ブルーパロベルデは、世界中の乾燥地および半乾燥地において、観賞用および景観樹として広く栽培されています。その耐乾性、印象的な青緑色の樹形、そして春の壮麗な花つきが評価されています。

日照:
• 十分な日光(1 日あたり最低 6〜8 時間の直射日光)を必要とします
• 日陰にはあまり耐えられません

用土:
• 水はけの良い砂質土または礫質土でよく生育します
• 砂漠地域に典型的なアルカリ性土壌や石灰質土壌にも耐えます
• 重粘土質や水はけの悪い土壌では生育不良となります

水やり:
• 根付いてしまえば極めて耐乾性を示します
• 生育初期の 1〜2 シーズンは、深めの手灌水を行うと定着を助けます
• 一度根付けば、追加の灌漑はほとんど、あるいは全く不要です。水のやりすぎは、弱く頭でっかちな成長を招き、枝折れの原因となります

温度:
• 成木であれば、約 -9°C(15°F)までの耐寒性があります
• 45°C(113°F)を超える極度の高温下でもよく生育します
• 米国農務省(USDA)の耐寒区分 8〜11 区に最も適しています

剪定:
• 枯れ枝や交差する枝を除去し、強固な骨格構造を形成するために剪定を行います
• 光合成組織を失うことになるため、緑色の枝の強剪定は避けてください
• 棘のある枝を扱う際は、剪定作業中に注意が必要です

繁殖:
• 主に種子によって繁殖します
• 休眠を破るため、種子は傷つけ処理(機械的な傷つけ、または熱湯への短時間浸漬)を施すと発芽が促進されます
• 温暖な条件下であれば、通常 1〜2 週間で発芽します
ブルーパロベルデは、先住民による伝統的な利用から現代的な用途まで多様に利用されてきました。

伝統的な利用:
• トホノ・オオダム族をはじめとするソノラ砂漠の先住民は、種子を食用としてきました。生食するか、粉に挽いて小麦粉のようにするか、あるいは茹でて食べられます
• 莢は家畜の飼料としても利用されました
• 木材は彫刻や道具作りに用いられました

現代的な利用:
• アメリカ南西部および他の乾燥地帯において、ゼリスケープや節水型景観樹として広く植栽されています
• 砂漠の都市景観において、街路樹、並木、アクセントプランツとして利用されます
• 窒素固定能力とナースツリー機能により、生息地回復プロジェクトで高く評価されています
• 世界中の植物園や樹木園において、見本木として人気があります

豆知識

ブルーパロベルデは、樹皮が緑色で光合成活性を持つ、地球上でも数少ない樹木の一つです。つまり、この木は皮膚ごしに「太陽光を食べて」いるのです。 • 干ばつによって微小な葉を落とした際でも、青緑色の樹皮や枝が光合成の役割を担い、丸裸の状態でもエネルギーを生産し続けることができます • この適応により、ブルーパロベルデは 1 年の大半を無葉状態で生き延びることができます。これは、この大陸で最も過酷な環境の一つにおける生命のための驚くべき戦略です • 根に共生する細菌による大気中窒素の固定能力により、天然の肥料工場として機能し、周囲の栄養分に乏しい砂漠土壌を豊かにし、近隣の植物にも恩恵をもたらします • 成熟したブルーパロベルデ 1 本が春に咲かせる鮮やかな黄色の花は数千個にも及び、殺伐とした砂漠の風景を黄金の海へと一変させます。その劇的な光景は、アメリカ南西部の無数の芸術家、写真家、詩人たちにインスピレーションを与えてきました

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