リスの足のシダ(Davallia solida)は、イノモトソウ科に属する着生シダで、小さな動物の足に似た特徴的な毛むくじゃらの這う根茎から、その愛らしい一般名が名付けられ、広く賞賛されています。
このシダはアジアおよびオーストララシアの熱帯・亜熱帯地域が原産で、優雅に弧を描くように垂れ下がる細かく裂けた葉と、触り心地の珍しい根茎の成長ぶりから、観葉植物として世界中で栽培されています。
• 主に着生シダからなる約 40 種で構成される Davallia 属の一種です
• 這う根茎を際立たせるため、ハンギングバスケットで育てられることが一般的です
• イノモトソウ科において最も識別しやすく、広く栽培されているシダの一つです
• スリランカ、インド南部、東南アジア、中国南部(台湾を含む)、フィリピン、マレーシア、インドネシア、ニューギニア、オーストラリア北部および東部の一部など、これらの地域が原産です
• 様々な太平洋の島々でも記録されています
• オーストラリアでは、主に沿岸部およびその周辺地域であるクイーンズランド州とニューサウスウェールズ州に自生しています
• 標高 0m から約 1,500m までの熱帯・亜熱帯の湿潤な森林地帯で生育します
• 本属 Davallia は、スイス出身のイギリス人植物学者エドモンド・ダヴァル(1762–1798)を称えて、ジェームズ・エドワード・スミスによって命名されました
根茎と葉柄:
• 根茎は長く這い、多肉質で、黄金色から赤茶色の鱗片状の毛(鱗片)に密に覆われており、リスの足や小さな動物の足を連想させる独特の毛むくじゃらとした外見をしています
• 根茎の直径:約 3〜8mm
• 葉柄(葉の茎)は直立〜弧を描き、滑らかで緑色〜褐色を帯びており、長さは通常 5〜20cm で、上面に明瞭な溝があります
葉(胞子葉):
• 輪郭は三角形〜広卵形で、長さ 20〜60cm、幅 10〜30cm
• 3〜4 回羽状複葉(非常に細かく裂ける)であり、葉全体にレースのように繊細な外観を与えています
• 最終小羽片(葉の最小の区分)は細い披針形〜線形で、縁は細かい鋸歯があるか、または全縁です
• 質感は草質で、色は鮮緑色〜中緑色まで様々です
• 葉は這う根茎に沿って疎らに広がる形で付きます
胞子嚢群:
• 最終裂片の裏側、縁の近くに付く、小さく丸いかカップ状の胞子嚢群
• 各胞子嚢群は、小さなくぼみ状またはカップ状の包膜(葉の縁が変形した偽包膜ではなく、真の包膜)に部分的に覆われています
• 胞子は黄褐色で、成熟すると放出されます
• 熱帯林では、通常、湿気で日陰になった樹幹や枝に付着して生育しています
• 岩肌、苔むした斜面、腐った倒木などにも生育します
• 半日陰〜日陰を好みます。直射日光は繊細な葉を焼いてしまうことがあります
• 高い空気中の湿度(理想的には 60〜80%)を常に必要とします
• 暖かく霜の降りない環境で生育し、低温には弱いです
繁殖:
• 風によって運ばれる胞子によって繁殖します
• 胞子は湿った条件下で発芽し、小さなハート形の前葉体(配偶体)になります
• 受精には、精子が造精器から造卵器へ泳ぐための水の膜が必要です
• また、這う根茎による栄養繁殖も可能で、これにより時間とともに新しい表面へコロニーを広げることができます
光:
• 明るい日陰または木漏れ日を好みます
• 繊細な葉を焼く原因となる直射日光は避けてください
• 多くのシダよりも低照度には耐えますが、生育は遅くなります
湿度:
• 中程度から高い湿度(50〜70%以上)を必要とします
• 定期的な霧吹き、湿しき台への設置、または加湿器の使用が効果的です
• 乾燥した空気は、葉の先端や縁の茶色化(葉焼け)を引き起こします
用土および植え付け:
• 着生植物であるため、通常の園芸用土では生育しません
• 樹皮、コルク、またはヘゴ板などに着けてハンギングバスケットで育てるか、非常に水はけが良く通気性の高い用土で鉢植えにするのが最適です
• 推奨される用土:バーク、パーライト、ピートモスまたはヤシ繊維を等量混合したもの
• 毛むくじゃらの根茎は用土の表面かその近くに置くようにし、土中に埋めないでください
水やり:
• 用土は常に湿った状態を保ちますが、過湿(根腐れ)にはしないでください
• 水やりの間、用土の表面がわずかに乾くようにします
• 生育が鈍る冬場は水やりを減らしてください
• 根茎が溜まった水に浸かった状態にならないように注意してください
温度:
• 至適温度:18〜27℃
• 安全な最低温度:約 10〜13℃
• 冷たい風や急激な温度変化から守ってください
増やし方:
• 根茎の株分け:最も簡単で一般的な方法です
• 葉を 2〜3 枚以上付けた根茎の一部を切り取り、湿らせた用土の上に置きます
• 胞子増しも可能ですが、時間がかかり、無菌的で湿った環境を必要とします
よくある問題点:
• 葉の先端が茶色くカリカリに乾く → 湿度不足
• 葉が黄色くなる → 水のやりすぎ、排水不良、または直射日光の浴びすぎ
• ワタフキカイガラムシやカイガラムシが、根茎や葉の付け根に発生することがあります
• 根茎腐れ:通気性の悪い過湿な用土に根茎を埋めることが原因で発生します
豆知識
リスの足のシダは、園芸の歴史と植物にまつわる伝承の両方において、愛すべき存在です。 • 属名の Davallia は、ジョゼフ・バンクス卿の友人でもあったスイス生まれのイギリス人植物学者・植物収集家エドモンド・ダヴァル(1762–1798)に敬意を表して名付けられました • 種小名の「solida」はラテン語で「固い」または「丈夫な」を意味し、他の Davallia 属の種と比較して、根茎が比較的がっしりとして多肉質であることを指しています • 伝統的な園芸において、Davallia 属の毛むくじゃらの根茎は、文化を超えて様々なウィットに富んだ一般名の由来となりました。例えば「リスの足のシダ」の他、「ウサギの足のシダ」(D. canariensis)、「シカの足のシダ」などがあります • 根茎の鱗片(鱗片毛)は単なる装飾ではなく、空気中や根茎の周囲に堆積した有機物から水分や養分を吸収するという機能的な役割を果たしており、これは着生生活を送る上での重要な適応です • 東南アジアの一部地域では、Davallia solida が伝統薬として利用されてきましたが、民族植物学的な記録は限られています • 土壌を必要とせずに樹皮や岩の表面で生育するこのシダの能力は、森林のカノピー(林冠)という環境をどのようにして獲得し、光を浴びながら空気中や堆積した有機物から水分や養分を調達するように進化してきたかを示す、生きた実例です
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